だから、毎日の手入れが大切なんです
歯や歯ぐきの隙間に付着する歯垢(しこう)は、
摂取した飲食物、口の中に存在している虫歯菌や歯周病菌などから作り出されます。
早めに取っておかないと、歯周病によって歯が溶けたり、
歯周病菌によって歯ぐきの出血や腫れ、歯を支える骨が溶けるといった症状を招くことも。
放置した歯垢が石灰化して歯石に進行すると、症状の悪化を招いて歯を失うリスクが増大し、
除去するには専門的な治療が必要になります。
歯垢を早期の段階で取り除き、トラブルを予防する為にも、毎日の歯磨きは重要なんです。
ケアを怠ると、思わぬ病気を引き起こすことも
歯磨きは歯をも守るだけではありません。
歯のトラブルなどで口の中の環境が悪化すると、全身の健康にも影響があるそうです。
増加する「口腔がん」は、口内環境の乱れが一因
「口腔がん」とは、口の中全体(口腔)にできるがんの総称で
発生する場所によって「舌(ぜつ)がん」「歯肉がん」などに分類されます。
近年日本では口腔がんの罹患率(りかんりつ)や死亡率が増加傾向に。
この病気の原因は、喫煙や飲酒のほか、口内環境との関わりも指摘されているようです。
歯垢や歯石などの汚れを放置した不衛生な口内、治療できていない虫歯、損傷したかぶせ、
合わない義歯などがリスクを高める要因になります。
口内がんは早期の発見・治療によって、完治する可能性は、90%以上!?
口内がんは早期の発見・治療によって、完治する可能性は、90%以上とのことです。
口内がんは”見える”がんであり、自分で発見しやすいのが特徴。毎日のケアをしっかり行うと同時に、
口内チェックも習慣にするとよいとのことです。
口内チェックのポイント
- 腫れやしこり
- 赤っぽい、白っぽい変色
- 口内炎がなかなか直らない 等
これらの違和感があれば、早急に歯科医に相談することをおすすめします。
歯周病が、病気の発生・悪化のリスク要因に
歯周病の炎症を放置すると、歯周病菌が血流に乗って全身に運ばれ、様々な影響を与えます。
血管内に取り込んだ歯周病菌によって、動脈の壁が盛り上がり、動脈が狭くなって狭心症や心筋梗塞
脳梗塞などを発症することもあります。
血糖値を下げるインスリンの働きを低下させ、糖尿病が悪化するケースもあるのだとか。
妊娠中の子宮に菌が進入すると胎児の発育を妨げたり、早産を誘発するリスク要因になるようです。
歯周病菌などの口内の汚れが誤って気道に入り込むと、肺が炎症を起こして『誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)』に
至る場合もあります。
特に高齢者は、異物に対する反射力や体の抵抗力が低下している為注意が必要です。
歯を失ったとしても、義歯をきちんと洗浄したり、舌の汚れを取るなどして、口内環境を清潔に
保つよう心がけるのが良いと思います。