病原体が侵入して起きる病気
感染症とは、体内にウイルスや細菌、真菌などの異物が入って起こる病気です。
感染で様々な症状が起きるのは、異物=抗原に体が防御しようと働くため。
たとえば、熱が38度以上になると体内に侵入したウイルスの繁殖が抑えられ、39度を超えると白血球がより異物を攻撃しやすくなることがわかっています。
また、せきや鼻水には病原体を放出する役割があります。
つまり、発熱やせきなどの症状は、どれも体が侵入した病原体と闘っている証なのです。
また、病原体により、発疹や目の充血など、その病気特有の症状が現れる場合もあります。
ただ、中には病気に感染しても「不顕性感染(ふけんせいかんせん)」といって症状が現れない例も。
かかっても、ごく軽くすむケースもあります。
感染する病気は自然に治るものも多い
病気と闘っている間、体の中では病原体に対する免疫も作られています。
そのため、多くの感染する病気は、特に薬を使わなくても自然に治っていきます。
ただ、体は病原体に対して過剰に反応する傾向があり、たとえばのどの炎症が強すぎるときなど、症状を和らげたほうがラクになることも。
そんな時、医師は症状に合わせた薬を処方することもあります。
また、直接ウイルスや細菌に効く薬がある病気では、抗ウイルス薬や抗生剤での治療が施されたりもします。
赤ちゃんは感染症にかかりやすい
赤ちゃんは大人と比べて感染症にかかりやすいのですが、それはまだ病原体に出会ったことがなく、免疫がほとんどないためです。
ただし、ママから免疫を受け継いで生まれてきますから、小さなうちはあまり病気にかかりません。
しかし、その免疫は徐々に減っていき、生後5~6ヵ月を過ぎると感染症にかかりやすくなります。
このころ、赤ちゃんも公園に出るなど行動範囲が広がり、ママ以外の人と接する機会が増えるためでもあるのでしょう。
また、ママから受け継いだ免疫は、ママがかかったことがある病気の免疫に限られます。
結核や百日(ひゃくにち)ぜきのように、そもそも免疫が伝わりにくい病気もあります。
ですから、生後5~6ヵ月以前でも病気にかかることもありますし、低月齢でかかると概して思い症状になりがちです。
感染経路はせきやくしゃみによる飛沫感染が多い
多くの感染する病気は、人から人へうつります。
ウイルス感染はせきやくしゃみ、鼻水により病原体が体の外に飛び散り、それを吸い込むことによりうつる飛沫感(ひまつかんせん)がほとんど。
またウイルスや菌を含んだ鼻水、目やにをふいたティッシュ、タオル等にふれたために、病原体が口から入る場合もあります。
日本脳炎など、中には動物や昆虫を介して感染する病気も。
また、破傷風(はしょうふう)のように菌が土中にいて、感染する場合もあります。
せきやくしゃみなどで感染する病気を防ぐには難しいのですが、中には予防接種のワクチンで防ぐことが可能な病気もあります。
ワクチンがある病気は、いずれも自然に感染すると命にかかわったり重大な後遺症を残すおそれのある病気ばかり。
赤ちゃんは感染すると重症になりがちですから、ワクチンで予防できるものはぜひ防いであげたいものです。
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感染する病気一覧~特に幼児期~
かぜ症候群(急性上気道炎)
上気道でウイルスが炎症を起こす
主な症状:発熱・せき・鼻水・下痢・嘔吐
突発性発疹症
突然の高熱と全身の発疹が特徴
主な症状:発熱・発疹
はしか(麻疹)
高熱が続き、合併症も心配な感染症
主な症状:発熱・発疹・せき・鼻水・目の充血
風疹(三日ばしか)
軽いはしかのようだが、あなどれない
主な症状:発熱・発疹
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